Q. 今回、ゲームではありますが、久しぶりにキャラクターを演じられていかがでしたか。

折笠さん
緊張しましたけど、楽しく演じました!

小嶋さん
お話いただいてから漫画を取り出してきて、読んで声を出してみたんですけど、久しぶりだから感を取り戻すのに2、3日ぐらいかかりましたね。こうだったっけとか、違うなーとか、声ガラガラにして。現場に入るまですごい不安でした(笑)

折笠さん
私もアニメを見返して、主題歌「カサブタ」を聞きながらスタジオへ来たんですけど、小嶋さんとご一緒して、2人で掛け合いさせていただけたので、すごく嬉しかったです。

Q.そして、久しぶりに再開したキャラクターに声をかけるとしたら何と言いますか?

小嶋さん
20周年ということで20年の時が過ぎているので、大人になったかな?背は伸びたかな?みたいな。ブラゴって孤高の存在みたいな感じで、あんまり他者と触れ合わない感じなんですけど、シェリーとの日々を過ごした中で、ともに築いていくということを学んだので、魔界に帰った後も、どんな形でもいいので、王様のガッシュをサポートしてくれていたらいいなと。なかなか素直じゃないので、多分、素直にはサポートはしないと思うんですけど(笑)

折笠さん
私は「ボンジュール」かな(笑)。変わらず、元気でいてくれたっていう安心と懐かしい気持ちで「お久しぶり!お変わりなくて嬉しいわ」みたいな感じかなと。

小嶋さん
シェリーの20年後って、あのまま貴婦人みたいなんだろうな(笑)

折笠さん
あのままな気はしますね。縦ロールは健在!みたいな(笑)

Q.アニメ収録当時や今回ゲームでキャラクターを演じるうえでこだわった部分はどこですか。

小嶋さん
ブラゴって、感情は出にくいじゃないですか。でも、いざ戦いになると、闘争本能丸出しで野獣のようになるので、そこのメリハリですね。そのバランス感を特にこだわっていましたね。

折笠さん
私はやっぱり心の強さ。シェリーはかすかに揺らぎながらも自分の心の軸をいつも確かめて強く持ってるみたいなキャラクターですので、その辺は昔も今も言葉の全てに込めていくっていう感じですね。

Q.アニメ収録当時の思い出として、思い入れのあるシーンなどがあればぜひここで改めて教えてください。

小嶋さん
やっぱりゾフィス編ですよね。先程の折笠さんの話でもあったんですけど、シェリーの芯の強さがゾフィスによって揺さぶられて、ボロボロになっていくのをブラゴが支える側にあって、鼓舞して立ち直らせる、って感じだったので。この戦いに勝つことによって、本当の意味での2人の勝利だったんだと思います。ゾフィス戦までは、シェリーは俺の言うとおりにすればいいんだっていう感じだったんですけど、この戦いでブラゴのシェリーに対する心境が変わった重要なエピソードだったと思います。

折笠さん
信頼感が増して、ぐっと距離が近づいたみたいなのはありましたよね。

小嶋さん
ブラゴとシェリーって他のパートナーと違って、他のコンビだと感情のぶつけ合いって感じなんですけど、ブラゴとシェリーはあんまり言葉では出さない。どっちかというとお互いの姿勢、戦いに対する姿勢で、相手を認めていくっていう感じですよね。

Q. アニメ収録当時のお互い(キャスト同士)に対しての思い出やエピソードはありますか。

小嶋さん
ゾフィス戦に入ってブラゴとシェリーが登場したとき、折笠さんが一度、すごい体調悪そうにしてたときがあったんですよ。今日大丈夫なのかな、体調すごい悪そうだけどって。でも、いざマイクの前に立ったらもうそこには凛としたシェリーの姿があって。本当すごいなって思ってました(笑)

折笠さん
えー!全然覚えてない(笑)

小嶋さん
今日の収録大丈夫なのかなと思ったんですけど、折笠さんの姿を見て、余計な心配だったなーっていうのが恥ずかしくなったと同時に、すごい力をもらって体が熱くなった、その当時の思い出がすごい印象に残っています。ゾフィス戦の入口だったので、それからどんどん佳境になって盛り上がっていくので、そのことがあったのはすごく大きいんですよ。よし、やるぞっていうスイッチが入ったというか、エネルギーが湧いてくる、そんなことを覚えていますね。

折笠さん
私は毎回必死でした(笑)ブラゴっていつもクールというか、寡黙な魔物で、激情型のエネルギーは全部、人間のシェリーが担当してるので、なんかもう泣きながら怒ってるとか、すごい滝のような涙が流れてる場面とかがたくさんあった中で、私がシェリーとしてエネルギーをバーっと放出しているところをブラゴがスーッと受け止めてくれていると感じていました。小嶋さんは普段から結構おとなしいんですけど決めるところはビシッと決める方なので、シェリーをさっと受け止めてくれてワチャワチャしないブラゴに重ねて、なんかすごく安心していました。

小嶋さん
他のキャラクターってみんな感情を大爆発させて泣くシーンとかって多いと思うんですけど、ブラゴって作中で1回も泣いてないんですよ。常に安定してるというか淡々としてますよね。

Q. 自分やパートナー以外で好きなキャラクターはいますか?理由も教えて欲しいです。

折笠さん
キャンチョメ(笑)

小嶋さん
同じです(笑)完全にブラゴとシェリーとは対極にいるだろうな。力押しのブラゴとトリッキーなキャンチョメと、対比がすごいでしょうね。ちなみに、好きなキャラは悪のココです。西村さんの演技もあって、当時かなりゾクゾクした記憶があります。どんどんシェリーを崩して、ボロボロにしていく様が(笑)ゾフィスも加えて、みんなのそこの掛け合いがもう煽り合いだったんで、こっち側でゾクゾク、ウズウズしたのを覚えています。

Q. このゲームでガッシュベルの存在を知る方もいるかもしれません。そんなお客さまにガッシュってこういう作品だよって教えるとすれば何と伝えたいですか

折笠さん
一言にまとめるのは難しいですね。傷から逃げない人が“傷のおかげ”で成長していくというか、そこには運命的な出会いと、育んだ友情と、そしてその時間からの別れがあって…それも全部受け止めて前に進んでいく登場人物たちが本当に魅力的な作品だなって思います。

小嶋さん
魔物とパートナーがぶつかり合いながらもお互いを高め合って、その思いの強さが勝敗を決める。力じゃなくて心、この描き方がすごく繊細に描かれていて、どんな苦境にあっても決して諦めないってことを教えてくれるそんな作品。熱量が作品から伝わってくるというか、毎週感動してたような記憶があります。

折笠さん
本当に。心の傷を自らが癒して成長できるようなパートナーと組まされているというか、カップリングがとても絶妙なんですよね。それぞれに魅力が溢れてます。

Q.逆に、ずっとガッシュファンでいてくれるお客さまに向けて一言お願いいたします。

折笠さん
時が経った作品ではあるんですけど、その方たちが大人になった今、自分の身近な年下の人とか、お子さんとかに結構すすめてるらしいんですよ。「ガッシュ本当にいいよ」って。読み継がれてるって素晴らしいことだと思いますし、同時に、古くならない作品っていうのがとっても素敵だなって感じているので、きっともう言わずもがなガッシュファンの方々は、その魅力わかってるんでしょうね(笑)そこをわかっていてくれてずっと応援してくださってると思うので、これからもよろしくお願いします!!

小嶋さん
本当に時代を問わない普遍的な作品ですよね。大体20年前っていうと、幼い頃に夢中になったよって方が多いと思うんですけど、その頃に触れたものって、一生の宝物みたいなものじゃないですか。そういう作品に関われたことはすごく嬉しいです。

Q.最後にこのゲームに興味を持ってくださるお客さまに向けて一言お願いいたします。

小嶋さん
従来のファンの方も今回新しく興味を持ってくださるファンの方も、このゲームをきっかけにして、原作やアニメに間口を広げていって楽しんでいただければ、すごくいいことだなと思います。このゲームでガッシュを知って、どういう作品なんだろうってもっと知りたくなるんじゃないかなって思います。

折笠さん
ゲームで楽しんでくださって、お気に入りキャラができたら、そのキャラをアニメとか漫画とかで深掘りしてくださると。そしてまたゲームに帰ってきたときにすごく楽しいと思いますので、とにかくたくさん味わっていただけると嬉しいです。